友人から依頼があったため、追加します。
質問内容は「店舗外販売先でいい所ないの?」という質問でしたが
よく聞くと、「衣類の売り上げを上げるにはどうすれば良いの?」という事についてでした。
質問して貰ったおかげで頭の中が久しぶり整理できたので以下まとめます。


売り上げを上げるために


衣類販売、特に低単価の衣類販売においては流れ作業の確立が重要な要素の一つです。大量に入荷されてくる衣類をいかにお金に替えていくかという作業ライン(バリューチェーン)を作っていかなければ利益に繋がりません。客層毎、店舗毎に最適なバリューチェーンというのは違ってくるため個々に最適化していって下さい。
以下の文章は最適化されつつあるバリューチェーンを再考し、新たに作業を加えることで売上を確立する方法論となります。


売場で売上を立てるためには一人時間当たりの売上高を上げる必要が有ります。
特に安価な中古衣類販売は労働集約型であるため、時給あたりどれだけ売る事ができるかという事が大事です。
一時間ずっと売り場をぐるぐる服を畳んで品出しするだけで一人当たりいくら儲かるのか?を毎月必ず計算します。

次に売上を伸ばすために、大きく三つの方策があります。

a,人手を増やす
b,売場面積を増やす
c,単価を上げる



a.人手を増やす

一人当たりの儲けが十分あり、人手を入れることで売上を伸ばせるのであれば一人時間当たり売上高が下がってこない間は人手を増やし続けましょう。余ってくるようになると以下の仕事を割り振っていきます。新規にその仕事のために人手を雇うことは推奨しません。あくまで既存スタッフを鍛えて売場管理をさせ、その下に新スタッフを付け、空けた時間に追加業務というスタイルを取らないと問題が発生します。


b,売場面積を増やす

売場面積を増やすというのはバックヤード等を潰したり、店頭に展開したりなど単純に売場を増やす方法とは別に高さ方向に売場を増やしたり、店舗外販売をすることも含みます。

高さ方向へは子供服を除いて二段が限界です。客の身長を忖度し、丁度良い高さを設定しましょう。上方向に伸ばす際は必ず十分な数の脚立を売場に配置して下さい。

店舗外販売とはそのままの意味で古着買い取り業者に販売したり、ヤフオクで販売したり、フリーマーケットで販売する事を指します。


b-1.オークションで販売

一店舗につき必ず一人はオークション販売スタッフが必要です。
週5日出勤で時給1000円x8hで計算すると週4万円、ここから労働分配率を30%とすると
40000/0.3=13万円程度の売上が必要です。
売れない時期やスタッフの急な休み等でヘルプに回る時もあるため、週一人当たり15~20万円の売上を目指しましょう。
週売上を達成するために発送日・梱包日等を集約させます。担当者が一人であれば週一か週二くらいのペースが良いでしょう。
商品は可能であればブランド別にIDを分けた方が効果的です。しまむら製品と西松屋製品を主に出品している出品者がダイアナの靴を出品しても高値が付かないでしょう。
大きく単価の高い物、安い物だけでも分けるべきです。
後は出品を繰り返すうちに作業は効率化されていきますが、出品にかかる時間を縮めないと売上を達成するための出品単価が下がらないことに注目下さい。

例えば一時間で二点出品でき、週に発送日を除く4日x7時間作業可能だとします。
すると、出品可能点数は週56個。週売上15万を達成するには2678円の単価が必要となります。

このように100円のものでも出せば良いというスタイルであれば、人件費と梱包費で赤字になります。

b-2.オークション外注化
そのため、オークション販売を外注化します。
店頭にポスターを貼り、オークション外注スタッフを募集します。

店舗で売れない一定量の衣類を重さなどの単位で販売します。外注はその単価で購入し、自分のオークションIDで販売します。店舗から購入した金額以上はすべて外注さんの儲けになるため、赤字にならないように販売するモノを調整して入れてあげるのが良いでしょう。
例えば傷の大きいブランド物などはオークションでは売りにくい(トラブルになりやすい)ですが、店頭では売りにくい外注さんが好きなブランドの品などを入れてあげると喜ばれます。
90リットルのゴミ袋いっぱいで300円~500円くらいが外注さんが利益の出るラインなのでその程度で売ってあげると喜ばれると思います。

外注さんは小さい子供がいて外に働きに出られない奥様層に依頼するのが今のところ最も成功率が高かったように記憶しています。

b-3.フリーマーケットで販売
まず、車を入れられるフリーマーケットのチケットを購入します。そして大量の針金ハンガーと売場設営のできる人手を最低二人居れば販売可能です。百円均一で販売すれば簡単に量を裁けます。問題は人手の人件費とフリーマーケットのチケット代が高く付くことです。これをクリアするため、フリーマーケット側と親しくなり、客寄せのために出店依頼されるようにしたり、売場から離れている間接部門スタッフを使ったりすると良いでしょう。

b-4.同業他社に持ち込み
堂々と同業他社に持ち込むのもアリです。
私が店長していた際は、周辺店の店長とは親しくしていたので挨拶して何度も持ち込んでいましたし、周辺店からも真偽確認のための査定だけの持ち込みなども暇な時間であれば受けていました。特に買取量が減っている店舗ではバリューチェーンを働かせるためにどのような買取であっても嬉しい物です。

b-5.古着買い取り業者
b-1,2,3,4の以上の販売網で売れ残ったものだけを買い取り業者に販売していました。最低二社以上は買取業者と契約しましょう。買取業者の今後の利用内容により買い取り価格が変わるため、デニムやネルシャツをよく使うパッチワーク業者にはそれらを分類してあげると、高く買ってくれます。それらが分けてあるだけで二社以上と契約していてもマメに店舗へ引き取りに寄ってくれるようになります。

以上どのようなモノであっても何度もフルイに掛けるだけで利益(バリュー)を生み出すことができるという話でした。

ただし、以上を行うにはすべて人手が必要です。
そのため、第一に書いたように真っ先に確保するのは人手です。一人時間当たり売上高が下がってこない間は人手を増やし続けましょう。
手が空きはじめた者へフルイの仕事を振っていくことで一人時間当たり売上高を確保し全体的な売上高を増やし続けましょう。

c.単価を上げる
これは、必死で取り組むべき問題です。
毎日どうすれば単価を上げることが出来るかを必死で考えていきましょう。
人手を増やす一人当たり売上高が時給に接近しているような余裕が無い店舗はまずこれに取り組むべきです。

単価をもし上げることが出来れば、
・一人当たり時間売上高が伸び、ゆっくりと仕事ができます。
・人手を増やすことができ、新たな仕事に取り組めます。
・売場を圧縮せず、ゆったりとした売場が作れます。

単価を上げるには以下記事も参考にしてみて下さい。


「売るには」
・各コーナーでお客さんのテンションがあがる雰囲気作りをしよう
http://37942.diarynote.jp/201301051923572077/
・棚に空きを作らないようにしよう(120%埋めよう)
・恐れず在庫を持とう(一億円の在庫の店と500万円の在庫の店)
http://37942.diarynote.jp/200907251006315068/
・商品化のスピードを上げよう(即出しの原則)
http://37942.diarynote.jp/200608050803050000/
・独断で「売らない」ことを決めない(全出しの原則)
・値下げして売らないため必死で頭を働かせよう
・月商+10万のための気の利いた二つのやり方
・右のものを左にするだけで売れる(脳には「見えていない」)
http://37942.diarynote.jp/201004080616512760/
・30:70の法則(効果の高い値下げのやり方)
・高く販売したほうが売れる三つの法則
・売れない時期は売れない。すぐ叩き売らない(我慢の原則)
・近隣同業店よりも高く売る特殊割引のサービス
http://37942.diarynote.jp/201207240054002730/
・ジャンルをまとめるだけで売れないものが売れる
・売り場整理をしよう
・接客をしてみよう(一見接客と常連接客)
・セット販売を極めよう
・売る場所は店舗だけではない(店外との販売ルートの確立)
・売れている商材を伸ばそう
・ヤフオクとのうまい付き合い方
・何があっても売り切らない!商材を少し残そう

「買取を増やすには」
・POP、チラシ、すべてに買取金額を明記しよう
・買取予定本数に到達したら販売価格ではなく、まず買取価格を値下げしよう
http://37942.diarynote.jp/200907251041434468/
・近隣店調査を欠かさないようにしよう
・集まりにくい商材は新品仕入れも視野に入れてみよう
・新しい買取方法を提示してみよう
・聞かれたものは売れるもの、常にアンテナを張って買取告知をかけよう
・オークション等で人気の商材を集めてみよう
http://37942.diarynote.jp/201004080543073754/
・毎月新しいものを集めていることを告知していこう

「専門」
・衣類売上高を伸ばすには
http://37942.diarynote.jp/201408211235447489/

「総合的に」
・売り上げ目標の数字を意識して動いていこう
・売り上げグラフから近隣の給料日や小遣い日を推察して行動しよう
・スタッフの使い方について
http://37942.diarynote.jp/201302010209385076/
・常に手持ち仕事を三つ持とう
http://37942.diarynote.jp/201004080526216933/
・「ボトルネック理論」を常に頭において行動しよう
http://37942.diarynote.jp/200907250944409622/

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